リチャード・ギア主演の映画など、海外にまで名が知れ渡るようになった忠犬ハチ公ですが、まだまだ世の中にはハチに勝るとも劣らない忠犬たちが存在します。
ところで、かの有名なハチ公の忠犬説には異論も存在します。駅前にいつづけたのは、屋台の焼き鳥屋からもらえるエサが目当てであったというものです。真偽のほどはハチしか知りえません。しかし、その美しい物語は、後世まで伝えられ、人の心を揺さぶるものとなりました。ハチの魂は、最初の飼い主であった上野博士ととも青山霊園に葬られましたが、その亡骸は剥製にされ、現在は上野の国立科学博物館が所有しています。
夏目漱石の処女小説「吾輩は猫である」の主人公の猫、「吾輩」には、実際のモデルがいたと言われています。漱石37歳の年に夏目家に迷い込んで住み着いた、野良の黒猫がそうではないかというのが定説です。この猫には名前がありませんでした。これは、小説の有名な書き出し「吾輩は猫である。名前はまだ無い」という一節とも符合します。現在も、その墓(猫塚)は東京都新宿区の夏目公園(漱石邸の跡地)にあります。短い生涯だったようですが、この黒猫をもとに生まれた物語もまた、のちのちまで人に愛されています。